医学的観点の「発達障害」VS.「治療薬否定」の新興宗教 VS. ギフテッド

こんにちは、リーベル・りなこです。
新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします!

さて、私がADHDの啓発活動を開始して早5年が経ちました。
その間にADHDを取り巻く環境は日々大きく変化して、今やネットや新聞の記事などで毎回取り上げられるようになりました。

私自身も、これまで様々な感情の変遷を遂げてきました。

診断前の直線的社会の中で自分がADDタイプとは分からずに日々苦しんでいた時期から、診断後の様々な否定的な感情(「え!みんなと違うの?」→ショック、「言わなきゃよかった…」→落ち込み・悲しみ、「何で分かってくれないの!」→怒りetc.)や、「私に合った直線的なやり方も分かったから、このまま直線タイプの人間でいこうかな」といった取引からの「…だけど治療薬飲んでるから、やっぱり私は曲線的思考でADDタイプの人間として生きていくの?」という迷い、「でも、また曲線タイプに戻ったら以前の苦しかった時期に逆戻りしてしまうのでないか…」といった恐れなどなど、です。

とにかく様々な感情と共に、対極に位置する曲線的思考と直線的思考の間を行ったり来たり繰り返しながらも、ようやく受容に辿り着き、私にフィットする地点を見つけ出すことができました。

又、未対応の時とは異なり、その経験は「わたし」という存在そのものを信頼する力に結びつきました。それは、探求心旺盛で冒険好き、忘れっぽくて方向音痴、感覚過敏で無邪気に遊ぶこどもを見守る母のようなイメージですね!

そして今、現在ADHDを取り巻く状況を俯瞰的に見つめています。以前の私なら考えられなかった景色です。

今の日本は、医学的観点からのADHDの認知が急速に広まり、まさに私がこれまで辿ってきたサイクル「ネガティブな感情」真っ只中であるように感じます。

「発達障害」という言葉を目にする機会も多くなりました。その診断は子供にも適用され、必要に応じて治療薬の処方もされています。

そんな中、精神医学と治療薬を真っ向から否定する新興宗教の団体は「ADHDセミナー」と称して普及活動を日本で行ったりもしています。こちらの団体は、トム・クルーズが入信していることでも有名で、彼の成功はこの組織のサポートなしではあり得なかったともいわれています。

個人の自由ではありますが、私は何も当事者や家族が新興宗教にのめり込まなくても、社会の中でそれぞれの力を発揮できるコミュニティを創り上げることができると確信しています。

そして、昨年「ブレインスタイルの多様性」をキーコンセプトとした民間資格制度「ADHDサポートコンシェルジュ養成講座」を創設しました。

この観点のもとでは、ADHDを「脳(ブレインスタイル)の違いから発生する課題」と捉え、直線タイプの人も、曲線タイプの人も、橋渡しタイプの人も、みんなそれぞれが自分と他者との違いを知り、自分に合った方法で課題の解決策を考え、実行することが可能です。

例えば、職場でのフォーカス・興味・視点の違いにより発生しがちな課題。

ある直線タイプの指導者が曲線タイプの人に対して、在庫管理の一部の業務(数や状態を調べる、必要なものを注文する、など)について、細かく丁寧にその手順を教えても、曲線タイプの人がいっこうにその作業を理解できないといったケースがあるとします。

その時、曲線タイプの人は、会社の経営に必要な全体の業務の中で、その一部の作業はどの位置に属しているのかをイメージすることが難しくその作業を理解することができないのかも知れませんし、はたまた、「なぜこの会社の仕事には、この作業が必要なんだろう?」とか「この業務を行うことで、会社にはどんなメリットが生まれるのだろう?」といった経営システムの関連性や仕組み、全体像が気になっているのかも知れません。

ブレインスタイルの多様性の観点では、それらの課題も、例えば直線タイプの人なら「作業のやり方を細かく指示するよりも、全体的にイメージしやすいように、システムのどの部分に関連し、どのような状態になれば良いかを説明する」といったことや、曲線タイプの人なら「全体的な流れを知りたい、見本があると分かりやすい、など自分のニーズを伝える」とか「自分の興味や関心を満たすための職につく」といった課題に対応するための様々なアイデアを、現実にできる・できないは別として、お互いがそれぞれの建設的な意見として出し合うことが可能になるのです。

ある人は、曲線タイプや多様的なブレインスタイルの人のやり方を直線的社会の中での「障害」と捉えたり、また、ある人は、「大きなイメージで幅広い分野に興味や関心が持てるなんて、それは特別な才能だよ」と捉えたり、人それぞれ捉え方は異なります。

それらの捉え方が論争として繰り広げられる昨今、私達は次々に押し寄せる荒波の中ひたすら流されているわけにはいきません。

特性は、確かにできることもできないことも大きいですが、そこには、プラマイ・ゼロの「わたし」という存在だけが残ります。ただ「ヒト」として対等に生きていきたいだけなのです。

入口を間違えると課題は課題のまま平行線をたどりますが、課題の本質を見極めることができれば、意外とシンプルに解決策も見つかるはずです。

これからが本番です!
みなさんの今そこにある日常生活に目を向けましょう。

現在、80年前の小説を漫画化した作品「君たちはどう生きるか」が大変話題になっていますね!
そう、私達は自由に考え、行動することができるのです。

私のビジネス・ネーム、“リーベル・りなこ”のリーベル(自由、教養)もそんな想いを込めてつけました。

共に考えブレインスタイルの多様性を日本から世界へと発信していきましょう!
そこには、みなさん1人ひとりの意識と勇気が欠かせません。

 

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