ADHDとは

ADHDはブレインスタイルの一種です

頭の中でパッと沢山のイメージが沸き上がる、思い立ったら考える前に行動する、こだわりがある、完璧主義、思考に偏りがある、じっとしているのが苦手、忘れっぽい、優先順位がつけられない、視覚優位など、誰もが持っている性格や個性です。それらが生活の中で大きな影響として出ている場合には、これを「特性」と呼ぶことがあります。
現在、ADHDに関しての様々な議論がなされておりますが、医学的な観点のみに捉われることなく、ADHDを「ブレインスタイルの一種」として様々な観点で捉えていくことが、ADHDの人が自分に合った方法を見つけより良い生活を送る上で大切なポイントとなっています。

曲線的思考と直線的思考の違い

ADHDの人がイメージの調整をする際や課題の対応を行う際に役立つ考え方の1つです。
人間には、大きく分けて主に以下2つの思考タイプがあると考えていきます。

  1. 直線的思考タイプ
  2. 目標達成のために、必要な作業を見つけて詳細を順序立てて行動する思考タイプ。細かい作業を効率的に行うことを得意とする一方で、大きな視野で問題点を見つけ出すことが苦手な面もある。

  3. 曲線的思考タイプ:ADHDの人に多いと言われています
  4. 目標や結果・パターンや関係などをパッと頭の中で大きなイメージとして捉え行動する思考タイプ。広い視野で物事を創造的に考えることを得意とする一方で、目標達成のために必要な作業を見つけ順序立てて行うことが苦手な面もある。

    このように、どちらの思考タイプにも長所や短所があります。ADHDの人もそうでない人も、ご自身がどちらの思考タイプに近いかを理解しておくことで、課題の対応がしやすくなります。

ADHDと二次的症状

未対応なまま大人になると

ADHD特有の課題は、ADHDの人や周囲の人の理解不足や誤解・思考タイプのズレが原因で発生してしまいます。

ADHDの人が未対応なまま大人になると、直線的思考社会の中で自分の思考や感情をコントロールすることや代替的な方法を考えることができなくなってしまいます。そして、周囲の人の理解やサポートを得ることができず、そのまま無理な環境に身を置くことで、心身共に支障をきたしてしまうのです。

自分に向けてしまうマイナスメッセージと悪循環サイクル

様々な状況において、計画立ての難しさや物忘れ・衝動的な行動・切り替えの難しさなどの特性が生活の中で課題となって発生している場合には、次のような悪循環サイクルに陥ってしまうことも少なくありません。

  1. 自分を責めてしまう
  2. 「自分はダメ人間」といった自己否定の感情が蓄積し、時には周囲の人に対する否定的な感情として発生するケースもあります。

  3. 二次的な症状の発生
  4. 次第に、うつ病や不安障害・強迫性障害や反社会性人格障害・依存性人格障害や摂食障害など、心身共に大きなダメージを受けてしまいます。

対応について

課題の対応には様々な方法があります

ADHD特有の課題の対応は、医学的な治療の他に以下のような様々な方法で対応することが可能です。

  • 認知療法 (+マインドフルネス法)
  • 行動療法
  • 環境調整、生活の見直し・組織化
  • 運動
  • 食事
  • ソーシャルスキルや直線的なやり方(計画立てなど)のテクニックを身に着ける
  • 目標・ニーズの設定
  • 話し合い・交渉
  • リフレッシュ

医学的な治療

ADHDの対応は、今までの価値観や考えの視点を変えて自分に合ったやり方を見つけていく事が必要になるため、課題が蓄積し不安やうつうつとした感情が多く発生している場合や特性が強い場合には、なかなか自力で対応するといったことが難しいことがあります。実際、そのような状況では、医学的な治療(ADHD治療薬の服用)で対応していきながら、上記のような方法を併用していくことが多いです。

※ADHDリソースセンターでは、ADHDの診断や医学的な治療は行っておりませんのでご了承ください。

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